望遠鏡

2023年10月 5日 (木)

31.7mmアイピースのカメラアダプター

髙橋から新しいアイピースTPL、タカハシプローセルが発売された。

惑星撮像用の拡大光学系として興味が沸いたので25㎜と18㎜を購入してみました。

これに適合ずるカメラアダプターを作りました。

Dsc_5910

31.7mmスリーブに合わせて、T2スレッド(42mm P0.75)のチューブをかぶせられるようにねじ切りすれば

カメラアダプターの完成なのですが、髙橋のアイピースの外径が39mmなのでスレスレの設計となりました。

Dsc_5913

これを作っておけば、前回の24.5mm径バージョンと併せて、

各種アイピースを惑星の拡大光学系として利用できるようになりました。

 

2023年5月28日 (日)

24.5mmの拡大アダプターの製作 その7(完成)

日曜日で一気に完成させました(^^

カメラ側の42㎜ P0.75のいわゆるT2スレッドを刻み、

アイピースを沈めるために内側を掘りました。

24.5㎜アイピースの固定ネジも取り付けました。

ネジはアイピースを傷付けないように4㎜のアルミネジを製作。

Dsc_5789

 

対物側は前にも記したように、31.7㎜フィルタネジを切ってあります。

このネジの呼称は、31.7㎜スリーブに付けられるフィルタですよ、という意味なのだと解釈しました。

Dsc_5790

 

右が現用の拡大撮影用のニコンの顕微鏡用アイピース CFIUW10xです。

左は昔から所有していて使ったことの無かったPENTAX XP-24で

それを組み込むために作ったのが今回のアダプターです。

Dsc_5787

 

今回製作した理由は、両者の視野環(主焦点位置に相当)がずいぶん違っていたので、

XP-24を対物側に移動する必要があったことです。

アメリカンサイズ(31.7mm)の内部に24.5mmアイピースを差し込むパイプを入れただけでは、

カメラシステム全体を対物側に移動してもピントが合わなかったのです。

写真の赤矢印付近がそれぞれの視野環の位置です。ほぼそろいましたのでこれで撮影できるはず。

テストチャートかなにかを撮影して結果が良い方を今年のシステムにしようと思います。

さて勝敗はどちらに・・

Dsc_5788_20230528223101

 

 

2022年5月29日 (日)

ZWO社のASI462MCカメラに手を加えてみました

薄明中に木星を撮像した際に赤の色カブリが気になり、そのカブリの原因を調べた記事を天文ガイド2022年3月号の「惑星サロン」に書きました。要するに、ZWOカメラの開口部に問題があったということです。

Wakusei_salon

 

今日は日曜日だったので、日の出1時間後も透明度が良かったので木星撮像をしてみたのですが、今度は緑色のカブリが見られました。

もしかしたらCMOS基板の緑色かもしれないと推理して、少々手を加えました。

Asi462_black

このようにCMOSセンサー周囲に植毛紙を貼り付けてみました。これで改善すると良いのですが。

ちなみに、こんな感じでセンサーむき出しなので、センサークリーニングは容易です。

私はシルボン紙+竹の箸+アルコールでやっていますが、たいてい一発で決まります。

 

ところで、少々唖然としたのは、カメラの内側から見ると外部につながる隙間が結構見えます。

これではホコリの多い環境ではCMOSセンサーにゴミが入り放題です。

特に隙間の大きいUSBコネクタ端子の周囲を絆創膏でシールしておきました。

このあたりは、非冷却機の設計上の弱点なのかもしれません。

Asi462_seal

2022年4月23日 (土)

mini‐DIN 8pin ケーブルの自作 

昨年、望遠鏡のモータードライブの不調が始まりました。

本体ではなく、タカハシPD8-XY本体とハンドコントローラーを結ぶケーブルの断線により、赤緯方向の操作ができなくなるという現象でした。
メーカーの高橋製作所に問い合わせたところ,すでに在庫のケーブルはないとのこと。
同じケーブルはTemma2やTemmaPCにも使用されているもので、規格はmini-DIN 8pin、オス-オスケーブルです。

こんな端子のケーブルです。

Dsc_5381_20220423210501

代替品がないか探してみたのですが、市販品で規格に合うのはサンワサプライ SANWA SUPPLY KB-M882Kくらい(下の写真の「代替」)でした。ただし、このケーブルは太くて硬いので、取り回しも収納性も良くありません。またハンドコントローラー側のプラグ穴径が小さいので、削り取る必要もありました。

Dsc_5413_20220423210601


そこで、自作です。

 

1.ケーブルの選定

柔軟性があり、細目の(太くない)ケーブルを探したところ、協和ハーモネットの「スリムロボットケーブル KRT AWG28 8C」 というのがあったので購入してみました。長さ3mで2000円ほど。

 

2.プラグの選定

自作用のものは種類が少なく、マル信無線電機 MP3718を失敗も予想して3個ほど注文。

 

3.製作に必要な道具など

半田ごて、ピンセット、ツールクリッパー、絶縁熱収縮チューブ

瞬間接着剤、硬化促進剤

 

4.作り方

①ケーブルを好きな使いやすい長さにカットする。

②端の外側被膜を10㎜ほど剥く。

③このままでは少し細いので、熱収縮チューブφ4mmを二重に被せる。

④8本の導線の被覆を長さ2㎜ほど剥き、予備はんだをしておく。

⑤ツールクリッパーにケーブルと端子をセットして、一本ずつはんだ付けしていく。

 

5.動作しない

8本のはんだ付けを終わって接続してみたのですが、全く動作しません。純正ケーブルとの違いは、シールド線(銅の網線)の有無でした。ハンドコントローラーの基板を調べたところ、シールド線はプラグの外周金属部に接続され、回路のアース線につながっているようです。

ケーブルの買い替えしかないのか、と落胆していたのですが、

基板を眺めていると8芯のうち一つが基板上では無効であることが分かりました(矢印)

Dsc_5395_20220423210901

そこで、この無効な端子をテスターでチェックし、そこにつながる導線を外してアース線代わりにプラグの外枠にはんだ付けしました。下の写真で茶色の導線です。

Dsc_5399_20220423210901

ピン配置はここ(1番ピン)です。

Minidin8pin

 

この状態でテストしたところ、見事成功しました。

導線の容量の面では不安はありますが、コントローラーと本体間の電流はそれほど大きくないという目論見でしばらく様子を見てみます。

ちなみに、ハンドコントローラー側のプラグは太いと入りませんので、

外側のカバーは使用せずに、中筒のプラ部品を瞬間接着剤(硬化促進剤必須です)で固めておきました。

Dsc_5408_20220423211101

完成したケーブルは柔軟性と軽さが奏功して、とても使い勝手が良くなりました。

 

 

 

2020年12月 2日 (水)

Nikon 顕微鏡アイピース利用の拡大光学系

製作記録を残しておきます。

バーローレンズでは物足りない方の参考になればと思います。

Cfiuw10x_4

ダウンロード - e9a195e5beaee98fa1e382a2e382a4e38394e383bce382b9e588a9e794a8e68ba1e5a4a7e58589e5ada6e7b3bb.pdf

 

2020年6月16日 (火)

ノートPCの熱対策 (外付けファン)これはイイ!

私のように、ノートPCで撮像から画像処理まで1台で運用していると、

夏場になると困ったことが起こります。

 

ノートPCの発熱による処理速度の低下です。

 

特に、スタッキングソフトで合成処理するときには、

CPUやメモリはフル稼働なので、みるみる温度が上がり、

一定温度を超えると、PC自身が処理速度を落として温度を下げようとします。

ですから、スッタキングの処理時間は3~4倍の時間を要することもしょっちゅうでした。

いそがしい出勤前の朝の貴重な時間が取られます。

 

これまでは、冷蔵庫のひえひえ枕とかをPCの下に敷くなど、乱暴なことをやってきましたが、

結露も心配でなんとかならぬものかと思ってきました。

 

そこで、ネットをめぐっていろいろ探していたら、これは?とおもうものをポチりました。

 

Dsc_0201

OPOLAR LC06吸引式ノートPC冷却ファン

 

これ、とても良いです。

なにより冷却効果が抜群で、夏の暑い部屋の中でもノートPC表面が熱くなりません。

当然、処理速度も最高を維持してくれます。

しかも小型で、持ち運びも楽。

久々に良いものをゲットしました。

2020年5月31日 (日)

惑星撮影システム2020

基本構成はそれほど変わっていませんが、ちょこちょこと改良していますので紹介します。

 

①基本構成

Dsc_0083

望遠鏡:口径190㎜ 焦点距離1600㎜ ニュートン式反射(自作鏡 1990年)

架台:高橋製作所システム160赤道儀(J型)

どちらも 20 30年来の相棒です。

今はない大阪のNTK(日本特殊光機)の自作用パーツで組んだものです。

鏡筒はアルミ製なので意外に軽く、鏡筒だけを室内に保管して架台はカバーをかけています。

 

②カメラと拡大光学系

Dsc_0084_20200531231701

カメラ:ZWO ASI385MC カラーCMOSカメラ

拡大光学系:Nikon CFIUW10x(顕微鏡用アイピース)

今年の大きな変更点です。昨年まではテレビューのPowermate5xを用いていましたが、

古典的な正の光学系に切り替えました。いまのところ取得された画像の質が向上したのかは

分かりませんが、最良のシーイング下でどうなるかに期待しています。

T2(42mm P0.75mm)リングの長さで拡大率を変更可能なのがまずは利点です。

大気色分散補正プリズム:ZWO ADC

全長が長いのが欠点ですが、非常に軽いので接眼部への負担は少ないです。

接眼部への固定は強固なBaader ClikLock Eyepiece Clamp 1.25"

自作のフォーカサーをつけています。

 

③駆動系

Dsc_0085

モータードライブ:高橋製作所 PD-8 XY 高速で振動がないので具合が良いです。

 

④ファン

Dsc_0086

Panasonic ASFN10371  DCファンモータ □120×25t(ASFN1)

定格12vですが、DC可変電源サンハヤト実験用直流電源DK-911 1.5/3/3.3/5/6/9/12/15V
で風量を変えられます。結構強力で、基本は撮影中も弱めに回しています。

 

⑤PCと観測台

Dsc_0089

PC:Panasonic CF-SX3 ノートPCです。1TBのSSDと16GBのメモリに増強しています。

撮像から画像処理までこれ1台で賄っています。

低い脚立の上に園芸用のバットを結束バンドで取り付けて、

PC,モータードライブと自作電動フォーカサーのコントローラーを載せています。

とても安価(バットは300円以下)な観測机です。

 

⑥視界

Dsc_0090

電線と電信柱だらけです(泣)。

惑星がなるべくかからないところを探して望遠鏡を移動します。

年を追うごとに電線が増えているような気がします(怒)。

 





  

 

2020年1月30日 (木)

正の拡大光学系に戻る計画

昨年末からある秘策を企てています。

 

惑星の拡大撮影に今までテレビューの5xパワーメイトにお世話になってきました。

サイエンティフィックエクスプローラーのものと比べれば明らかに軸上色収差も少なく、

安定した画像を得てきました。ありがとうございました。

いわゆるバーロー系(負の光学系;凹レンズ系)の定番です。

 

今シーズンは正の光学系にしてみようと思います。

 

ニコンの顕微鏡用のアイピースを拡大光学系をヤフオクで入手したので、

これを活用してみようとするものです。

入手したのは25㎜の10倍の広角系の接眼です。

 

これをパワーメイトと同様の取り扱いができるようにできるか、

というのが、今回のテーマです。

 

 

2019年10月21日 (月)

GPSを利用したノートPCの正確な時刻合わせ

晴れません。 ので、プチ工作ネタです。

惑星撮像においても、撮影時刻を正確に記録することは重要です。

月惑星研究会では誤差10秒以内を推奨しています。

 

撮像用PCの時刻をできるだけ正確に保つ方法はいろいろあります。

①電話の117を聞きながら、アナログで手で修正する。

②windowsのインターネット時刻を利用する。(たとえばJST CLOCK

③自前のGPSユニットをPCに接続して、そこから時刻合わせをする。

 

今回は③をやってみました。

用意するもの

①GPSユニット(秋月電子通商)

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-09991/

② ①とPCをつなげるUSBシリアル変換モジュール(秋月電子通商)

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-08461/

③ ②とPCをつなげるマイクロUSBケーブル(適当に長さを選んでください)

 

工作というほどのものではありません。はんだ付けを10数か所するだけです。

 

GPSユニット

Gps_unit

 

裏側にはUSBシリアル変換ユニット

上に乗っかっているちいさな基盤です。

Usb_sirial

PCのUSBに接続すると、青と赤のLEDが点灯し、

1分くらい経つと赤のLEDが1秒間隔で明滅を開始します。

この状態でGPSユニットがGPS衛星の捕捉を開始しています。

 

ソフトウエア(その1)

①のページにある秋月さんのソフトウエア Mini GPSの画面はこんな感じです。

COMポートの番号はデバイスマネージャで確認して選びます。

通信速度は規定値9600を選択してOpenを押して以下の画像が出れば通信成功です。

Mini_gps

ソフトウエア(その2)時刻合わせをしてくれるソフト

いろいろ試したのですが、ソフトウエアによっては誤差1秒レベルでしか合わせてくれないものもありました。

小数点以下秒で正確に合わせてくれそうなのが BktTimeSync

https://www.maniaradio.it/en/bkttimesync.html

です。

起動してCOMポートと通信速度9600を設定したら、

下の赤いSync Nowをクリック、Closeすると同期します。

 

ネット環境がなくとも正確な時刻合わせができるのがメリットです。

Bkttimesync

さて、私はなぜこんなことをしているのでしょうか?

2019年4月22日 (月)

USB3.0ケーブル

ZWO社の惑星イメージングカメラをASI224MCからASI385MCに交代して、

劇的な向上は特にありません。

若干、きめの細かさというか、すでに輝点が多かった224から比べれば

安定感のある385です。

 

それよりも関心したのが付属のUSB3.0ケーブルです。

フラットタイプでZWOの印字があるので、

テストを重ねてよりよいものを調達してオリジナルとしたのかもしれません。

Zwo_cable

実際に使用しても、

力学的なストレスが少なく、多少触れても撮像速度の変動がありません。

安定して仕様の最高速度が出ています。

 

接点といえば、昔からいろいろな分野で接触抵抗の軽減の効果が議論されてきました。

オーディオの世界では接点復活で音質が向上したとか、

私も経験するのが古い車の電装系の接点清浄で性能がもとに戻る、とかです。

 

おそらく皆さんが使用している撮像用ノートPCの接点も

同じようなトラブルの原因をかかえているかもしれません。

 

そんな時に結構役立つのが接点復活材、

その中で高価ですが定評のあるのがこれです。

 

Wakos_crd

ワコーズのものは高価ではありますが、信頼がおけます。

これで、いろいろな装置(オーディオや車や撮像カメラ)の接点抵抗トラブルが改善しました。

 

 

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